植物バイオの実験室

摘要

植物ホルモンの研究では，まず含量を測定することが基本になります。 植物体の植物ホルモン含量は非常に少ないため，感度のよい高額の分析機器が必要でした。 しかし近年，他の植物ホルモン同様アブシジン酸に関しても分析法が改良され，またDNAを利用したアプローチも可能になり，分析機器の限られた私たちの研究所のようなところでもアブシジン酸関連の課題に取り組むことができるようになりました。 私のところでは，ランの遺伝資源保存のため，種子や組織を液体窒素で半永久的に保存する超低温保存技術の開発を行っています。 超低温保存では，植物組織の水分が20％程度であると保存後の生存率も良いことがわかっています。 植物組織の水分含量は通常は90％程度と高いので，保存のためにぼいろいろな前処理を行い，組織の水分を下げる必要があります。