植物バイオの実験室

摘要

最近，イネやシロイヌナズナ（アラビドブシス）の花粉発芽に伴う分子生物学的な研究論文が多く発表されています。そのような論文の中に，おもしろい工夫をしていて，レポートでいう「材料及び方法」が充実している中国のグループがいます。　このグループは，2008年，シロイメナズナの花粉発芽時にどんな遺伝子が発現しているのかを網羅的に調べる論文を発表しました。網羅的に調べるというのは，専門用語でいうとトランスクリプトーム解析（Transcriptome Analysis），今流行の解析手法です。アレイ，あるいはマイクロアレイと呼ばれる遺伝子発現産物を網羅的に検出するキット板（のようなもの）を使います。　彼らは，アフィメトリックス社が開発したシロイヌナズナ用遺伝子発現検出キット板を使いました。このキット板にはシロイヌナズナの約24，000の遺伝子に対応する反応液のようなものが細かく整然と張り付いています。