食品事業者とステークホルダーの関係はどうつくられるか －社会的責任と経済的条件

摘要

今日、企業のCSR（社会的責任経営）が注目されているが、日本では、環境対策のために植林を進めるなどもっぱら事業活動以外の社会貢献をさす傾向にある。このような幅広い社会貢献は歓迎すべきことである。しかし、より重要なことは、企業は事業を通して社会と結びついており、事業そのものを通して、いかに社会的責任をはたすかではないかと考える。食品分野においては、フードシステムの担い手（農業生産者、食品製造事業者、流通事業者、外食事業者、そして消費者）が互いに良好な関係を醸成しながら食を支え、望ましいフードシステムのあり方を探求し、将来世代に引き渡せるようにしていくことではないかと考える。