多面的機能としての教育機能とその市場規模－農業小農村体験ビジネス化に向けた課題

摘要

農業の教育力は、以前から指摘されてきた。 しかし、わが国で本格的なとりくみがみられるようになったのは、21世紀を迎えてからといえる。 その意味では、農業の教育機能の問題は、農業の新たな役割を象徴するものといえる。しかし、その具体的な機能についての分析は、事例分析を中心にはじまったばかりであり、理論的に一貫したフレームワークが確立しているわけではなく、実際上のビジネス化への課題も少なくない。 そもそも、教育機能をビジネス化することが、本来望ましいことなのかどうかについても、実は議論の分かれるところである。 コマーシャルな活動と教育とは、お互いに対照的ともいえるもっとも遠い存在といえるからである。 したがって、今後の教育機能の方向性を探るには、まずその特徴を的確に認識することが必要と考える。