わが国の公立の農業試験研究機関におけるパプリカ研究の現状

摘要

食の多様化の一環として，パプリカの輸入が増えている．とくに，平成5（1993）年にオランダからの生鮮品の輸入が解禁されて以降急増しており，平成13（2001）年には21，600tが輸入されている．これに対して国内の生産量はわずか2，000t前後で，国内の需要の9割を輸入品が占めている．この背景として，単価の安い韓国産の輸入増加により一時ほどの高単価が期待できなくなったこと，また，パプリカ本来の性質や日本の気象要因との関係で思ったほど反収が伸びないといったことなどで，経営的に魅力の薄い品目になってしまったことが考えられる．