農業体験型修学旅行に対する高校生の評価

摘要

平成20年度より，総務省，文部科学省，農林水産省などの連携による「子ども農山漁村交流プロジェクト」が開始された．同プロジェクトでは，児童が農山漁村に滞在することを通じて，児童の学ぶ意欲や自立心，思いやりの心，規範意識などが育まれることが期待されている（農林水産省［2］）．小学校だけではなく，中学校，高等学校においても，平成12年度より「総合的な学習の時間」が導入され，課題解決学習や体験学習が重視されている．このような背景のもと，農家民宿などに滞在し農業体験を取り入れた修学旅行（以下，農業体験型修学旅行）も多くの学校で実施されるようになってきた．農業体験型修学旅行は，旅行としての側面も有するとはいえ，教育の一環として実施される点が注目される．これまで農業体験を教育の側面から実証した研究は，小学生を対象としたものが多い（山田［4，5］）．しかし，農業体験型修学旅行に対する高校生の評価を分析した研究は，極めて少ない．