中国東北の米の消費構造に関する一考察一主にハルビン市消費者アンケート調査結果から－

摘要

中国の米の生産消費は，もち米を除けば，大きくジャポニカ米（梗米）とインディカ米（紬米）に分かれる．ジャポニカ米は，2003年度に生産量対比でおよそ3割であり，近年はその生産割合が上昇している．その背景にはジャポニカ米消費圏の拡大があり，主な拡大地域の1つは江南地域及び長江以南のインディカ米消費圏であり，2つは麦主食地帯の華北及び西北地域である．但し，公表統計の不備もあって，ジャポニカ米の消費圏拡大の実態及びその過程や諸要因についてはあまり明らかでない．前者のインディカ米消費圏でのジャポニカ米の生産消費の拡大傾向については，最近，長江中下流域を対象とした青柳［1］［2］の実証的研究がある．但し，後者の麦主食地帯におけるジャポニカ米の消費動向については全く不明な状況にあるl）．