センサス局法と連環比率移動法による可変型季節性指数の比較研究

摘要

季節性指数抽出法は，月次データや四半期データに含まれている天候や社会的習慣等の季節による変動の要因を取り除き，中長期の傾向、循環変動を分析するために不可欠なものである．農畜産物の季節変動のパターンは長期的に見ると，生産技術の向上や政策の変化等により年々変化しており，可変的である．このような可変型季節変動に対応するために，米国商務省センサス局が開発したセンサス局法（Xll，X-12，ARIMA），スイス中央銀行が開発したTRAMO－SEATS，統計数理研究所が開発したDECOMP，経済企画庁が開発したE弘法等，多種の可変型季節性指数抽出法が考案された．最近では，奥本［1］や木村［3］がセンサス局法のX－11とX12－ARIMAを比較研究し，東［6］がX－12－ARIMAとTRAMO－SEATSを比較研究する等，どのような可変型季節性指数抽出法の現実性が高いかを研究されてきた．