住民による農産物の入手と利用から--地域内自給の実態把握: 長野県飯田市の事例調查から

摘要

近年，直売所活軌，農産加工活軌，学校給食への地域産品の利用，関係検閲による啓発活動など，地域内自給に関わる様々な取り組みが，いわゆる“地産地消”として全国各地で進められている．農林水産省が平成17年3月に新たな10カ年計画として提示した「￣食料，農業，農村基本計画」において，食料自給率向上の方策の一つとして「他産地消」が取り上げられた．同年，「他産地消推進検討会」を省内に設置，以後．毎年「他産地消耗進行動計画」が策定されるようになった．上記基本計画において，他産地消は「消費者が，生産者と『顔が見え，話がで尊る』関係で地域の農産物，食品を購入する機会を提供する」ために推進され，「地域の主体性と創意，工夫を活かした多様な産業の育成」のためにも有効であるとされている．さらに，農林水産省〔1〕は，地産地消からは，食や農に関する理解の向上地域の伝統的食文化の継承，地域活性化，食料自給率向上輸送距離の短縮による環境負荷低減といった「多様な効果」が期待できる．としている．