林業構造改革を「官」と「学」の連携で

摘要

編集者から先に公表された平成一六年度森林、林業白書の論評を求められた。 私は、今春北大で開催された「日本森林学会」でテーマ別セッション　 「日本林業再構築のモーメントと方向をどう考えるか」を組織し、約四〇名の報告者を得て実施したところであった。 セッションのひとつの目的は、「日本の森林、林業、林産業の実態を明確にすること」である。 近年、日本の森林、林業、林産業、山村にどうも大きな「構造的変化」が起きているのではないかとの仮説を持ち、その検証を皆さんにお願いした。 論議を交わした結果、当面の結論として、「二〇〇〇年をはさんだ、ここ一〇年ほどの問に大きな構造的転換が起きているとみてよい。 」というものであり、さらに今後の方向については二つの道があるとし、それは　 「スケールメリットを追求し、市場に再参入を図る道（一〇～三〇万立方の大規模製材工場を軸に外材と対抗する林業形成）と、顔の見える関係を基にした小規模森林、林業圏形成の道である。 工趣筏浚ā干旨夹g」誌二〇〇五年五月号の拙稿参照）。