市街化区域周辺の農振白地における農地の転用の空間分析－大阪府を事例として－

摘要

おおよそ1970年までの高度経済成長期には，都市やその周辺地域は無秩序に開発されてきた。 その後，経済が安定成長期に入っても農林地は都市拡大の受け皿として機能し，農業振興地域（以下，農振地域）においても虫食い的な開発が行われてきた。 特に，農用地区域以外の農振地域，いわゆる農振白地では土地利用計画が定められておらず，優良な農地が転用されるなど土地利用問題が数多く指摘されている。 都市の周辺では，都市的土地利用と自然的土地利用の需要供給の極めて複雑な関係が地表面に直接投影されている。 今後もしばらくの間は最も土地利用問題の議論の紛糾する地域である。