行動テストにおける肥育豚の反応および唾液中コルチゾール濃度

摘要

この研究の目的は，私達が開発した3つの行動テストの実行可能性，そのテストを反復し測定した値の相関，去勢豚と雌豚の性別による違い，そして行動テスト後の唾液中コルチゾール濃度を調べることであった。 群内社会順位テスト，環境エソリッチメソト用具への噛み付き行動テスト，豚の取り扱いへの反応テストを開発した。 31頭の肥育豚（去勢豚18頭と雌豚13頭）は，大学付属農場において，同腹豚として3頭の母豚から生産された。 1腹ごとに同じ豚房内で離乳から実験の終わりまで飼育された05回（0，7，9，11，13週目），行動テストを行った。0週は実験を始めた週である0実験開始時の平均体重は29.0（±1.0O SEM）kgで，平均日齢は，115.6（±2.4SEM）であった。 攻撃回数と群内社会順位指標は，連続した期間で相関関係が見られた（P＜0.05）。 豚の取り扱いへの反応テストは連続した期間で相関がなかった。 環境エソリッチメソト用具へのテスト後に比べて，群内社会順位テスト後の唾液中コルチゾール濃度が高かった（P＝0.06）。 この研究で，3つの行動テストは農場で実行可能なことも示唆された。