木質ペレットによるエネルギーの地産地消の可能性: 山形県飯豊町中津川地区を事例地として

摘要

昭和30年代以降の化石燃料と化学肥料の普及や国産材の低迷に伴い，森林が経済的役割を失い管理されずに放置されている。 そのため，森林の新たな利用方法や保全方法を多面的に検討する必要に迫られている。 このような現状に対し，現代の生活に適応できる森林の利用、保全、管理方法として，森林の木質バイオマスのエネルギーとしての利用が注目される。 日本政府は，バイオマスの利活用に関する総合的施策を定めた「バイオマス、ニッポン総合戦略」を平成13年12月に閣議決定した。 この戦略の目的の一つとして，農山漁村におけるバイオマス生産及び利活用による活性化が挙げられている。しかし，森林の木質バイオマスにおいて，具体的な利活用の方法は決定されていない。