第16回ヘルペスウイルス研究会

摘要

第16回ヘルペスウイルス研究会が、平成13年5月31日から6月2日にわたって、大阪市住之江区南港コスモスクエア国際交流センターで開催された。 特に興味がもたれた演題およびわれわれ，JRA総研栃木支所から発表した演題について記述する。 単純ヘルペスウイルスUL41遺伝子欠損株のワクチン効果。ヘルペスウイルスは、宿主の免疫応答を制御するような遺伝子産物を感染細胞で発現し、さまざまな方法で宿主の免疫応答を修飾することが知られている。 単純ヘルペースウイルスのUL41遺伝子産物は、感染細胞のタンパク質合成を阻害することにより、サイトカインの分泌抑制、インターフェロン誘導性の防御タンパク質の発現阻害、主要細織適合性抗原の発現の抑制によるウイルス抗原の免疫担当細胞への提示の抑制など、さまざまな免疫機能を障害する。 したがつて、UL41欠損ウイルスは、野生株よりも宿主に強い免疫応答を惹起するのではないかという予測のもとに、演者は、UL41欠損ウイルスの生ワクチンとしての効果をマウスを用いて検討した。