平成10－12年度　生産地疾病等調李研究報告－馬伝染性子宮炎の清浄化およびその他生殖器感染症等の防疫に必要な調査試験研究－

摘要

平成10年から平成12年までの3年間に、競走馬総合研究所栃木支所と日高家畜衛生防疫推進協議会は共同で、「馬伝教隆子宮炎の清浄イヒおよびその他生殖器感染症等の防疫に必要な調査試験研究」を実施した。 その結果、馬伝染性子宮炎では、PCRをはじめとする新たな検査手段の導入により、これまで見過されていた保菌馬の摘発が成功し、疾病の清浄イヒが促進された。 一方、その他の感染症については、発生状況および抗体保有状況に閲して、以下のような新知見が得られた。 子馬のロドコツカス感染症では、これまで議論が分かれていた移行抗体伝達不全と発病との関連性の有無について、瀾適性に否定的な成績が得られた。 腺疫では、馬の移動に伴つた集団発生例が確認された。 馬鼻肺炎では、これまではないものと考えられていた子馬のEHV－1感染症の存在を示唆する成績が得られた。 馬ウイルス性動脈炎については、本病の国内への侵入がなかったことが確かめられた。 インフルユンザでは、繁殖牝馬群において、ワクチンの接種が不十分であることを示す成績が得られた。 これらの成果および知見は、感染症による競走馬生産のリースクを軽減することに大いに貢献する。