乳頭ロスコァと乳頭皮膚スコァ

摘要

前回までに呼吸器疾患を診断するために必要な胸部聴診 についてそれぞれの音が発生する機序とそれに関連する病 態について紹介した。呼吸活動によって生じる呼吸音も. 本来聴取できる位置とは異なつた部位で聴取されたり， ピッチゃ音質が変化したり，呼気相または吸気相のタイミ ングがずれていたりすれば，呼吸器系に潜在的な異常が生 じていることがわかる。また，病的な呼吸音である副雑音 は，音の発生機序が病態と密接に関係しているため，胸部 聴診によって高いレベルで呼吸器疾患を病態評価，または 鑑別診断することが可能である。しかし，臨床獣医師が呼 吸音と副雑音の発生機序とそれに関わる病態を理解したと しても，実際に子牛（または成牛）において，どの部位で， どのタイミングで，どのような音が聴取できるのか知って おかなければ治療に生かすことはできない。したがって， 今回からはこれまでの理論を踏まえてr子牛の胸部聴診」 の実践編として，①聴診器の構造や特徴，そして②牛での 胸部聴診の進め方について紹介する。