ヨ一幕病防疫のために何ができるかヨーネ病診断法の現状

摘要

ヨーネ菌（Mycobacterium avium subsp．paTatuberculosis）の経口感染により起こる反袈獣のヨーネ病は，慢性消化器感染症であり，長い潜伏期間（1～8年）の後，持続性の下痢，栄養状態の悪化による削壇等を起こし，やがて死に至る。わが国ではヨーネ病はいわゆる撲滅対象疾病として，乳牛，種雄牛の全頭検査を行い蔓延防止に努めているが，図－1に示した最近のヨーネ病摘発頭数の推移のように，減少するには至っていない。 諸外国でのヨーネ病の発生状況と比較すると，わが国におけるヨーネ病摘発頭数はきわめて少ない状況にあり，診断方法の改良等によりさらに効率的に本病の防疫を進めていくことが重要である。 現在ヨーネ病の診断は臨床症状，細菌学的検査，ならびに免疫学的検査等種々の方法により行われているが，以下に各検査方法について現状と将来展望を概説したい。