牛におけるラテックスゴムバンドまたは精管挫滅器、バーディゾー（burdizzo）による去勢後の局所組織における炎症性遺伝子発現の一時的パターン

摘要

雄の牛を去勢するのに用いられる技術として，精索を挫滅させるゴムリングやラテックスバンドによる締めつけ（バンディング）のほか，精巣の外科的摘出や精管挫滅器、バーディゾー（burdizzo）の使用などがある。雄牛の去勢によって，生理的ストレス，炎症反応，痛み関連の行動，免疫機能抑制，生産性の低下を引き起こすことが報告されている。バンディングまたはバーディゾー去勢は精巣の虚血を引き起こし，壊死と炎症を引き起こす。急性炎症は，腫瘍壊死因子α（TNF－α），インターロイキン1（IL－1），インターロイキン6およびインターフェロン－γ（IFN－γ）などのサイトカインによって開始され，継続していく。炎症の後期において，例えば，IL-10のようなサイトカインは，浸潤白血球によって生産され，炎症を制限し，痛覚過敏を軽減させる。IL-8は好中球の作動薬（agonist）と特定されており，また好中球は多くのストレスモデルに関係している。乳用子牛で，IL－1β，IL-1RaおよびTNF－αを含む急性相サイトカインの発現が，デキサメタゾン治療された子牛で変化する可能性があり，このことにより，病気に対する牛の抵抗性を減少させるかもしれない。