飼料用米の加工技術: 継続的推進と一層の研究、普及に期待

摘要

輸入飼料への依存度が高いわが国の畜産経営は、 各國のエネルギー政策や農業政策、経済状況、気象 条件、原油価格、為替相場などの影響を受けやすい 構造であり、安定して畜産物を供給する体制を構築 するためには"飼料基盤に立脚した経営"への転換 を図ることが重要である。そのため、水田を活用し た飼料増産に向けて、行政面では稲発酵粗飼料（以ド、イネWC S)や飼料用米に手厚い支援が行われ、研究面においても農林水産省の委託プロジェクト研 究が実施されている。特に国産穀類としての飼料用米は、行政支援や技術開発などによつて2012年度の 作付面積は3万4， OOOhaにまで急速に拡大した。13 年度は備蓄米などへシフトした影響によって2万 2， OOOha程度に減少したものの、今後、輸入トウモ 口コシなどが安定して入手できる状況にはないこと から、飼料用米は国産穀類としてこれまで以上に重 要な位置付けになってきている。