蹄深部感染症の治療法

摘要

蹄病の多くは，適切な時期に適切な治療を施すことにより治癒させることが可能であるが，蹄の深部に感染を生じたものは，一般的な蹄病の治療法である蹄角質の削切や，抗生物質の投与だけでは治癒は困難であり，麻酔を伴う手術が必要になる。蹄深部の感染は，蹄関節（遠位址節間関節）などの関節や腱，腱鞘，骨にみられ，蹄底潰瘍や白帯痛が重度であったり，それらの治療が適切に行われなかった場合，また，釘などの異物が深部まで刺さった場合（化膿性蹄皮炎），縦裂蹄や址間フレグモーネの炎症が近接する蹄関節に及んだ場合に起こる。以下，診療指針等を参考に治療法について述べる。