子牛下痢症に伴う臨床症状および糞便性状と血液検査値との関連性

摘要

子牛下痢症の病態は複雑なため，臨床硯場で血液電解質および酸塩基平衡の異常等をモニタ一しながら，適切な時期に適正な補液を施すことが症状の改善につながる。 下痢を呈した黒毛和種子牛の臨床症状および糞便性状とポ一夕ブル血液分析器で測定した血液検査値との関連性を調査した。その結果，血液pH，垂炭酸イオン濃度，予備塩基濃度および血液尿素窒素濃度と臨床症状および糞便性状の間に関連が見られた。 ポータブル血液分析器を現場で使用することで，子牛下痢症に伴う脱水および代謝性アシド一シスの病態を適確に把握できると思われた。 逆に子牛下痢症の病態を臨床所見から推察し，適正な輸液方法を行う可能性があると考えられた。