ー肥育素牛牧場における牛呼吸器病症候群（BRDC）の発症とその対策

摘要

一肥育素牛牧場の哺乳および育成牛に呼吸器症状が多発し，死廃率は1．3％から12．6％に増加した。 剖検所見では，重度の胸膜肺炎，後葉の問質性肺炎，膿瘍の密発等を認め，病性鑑定では，コロナウイルス，RSウイルス，Pasteurella multocida, Mannhemia haemolytica, Mycoplasma bovisねが検出され，牛呼吸器病症候群（BRDC）と診断された。 発症予防対策として，導入時の病原体の制圧および治療方針の統一を図った。感染拡大の防止対策として，観察徹底による体調不良牛の早期発見とその保護，発症牛の隔離と隔離ルートの確保，従業員の牛舎別の担当制から発症牛、非発症牛別の担当制への変更および各機関との連携を図りつつ対策を徹底することにより，死廃率は2％に減少した。