尾先端採血法による繁殖雌豚の血液生化学的所見の評価

摘要

臨床的に健康な繁殖雌豚の尾先端部から採取した血液サンプルを用いて，繁殖ステージ別の血液生化学的所見を求めた。 豚の尾先端採血は簡便で，有用な方法であると思われた。 尾先端血の各検査所見は頚部血および耳静脈血からの検査値と差は見られなかった。 なお，今回の検査所見からTP，T．chol，GluおよびNEFAは，繁殖豚の栄養状況および飼料摂取状況の指標に，ASTは筋肉の損傷状況の指標に，ASTおよびGGTは肝機能の指標になると思われた。さらに，分娩前後は脂質代謝が活発化することも明らかになったので，血液生化学的所見を応用した精密な繁殖管理指導が可瀧であると思われた。