高脂血症治療薬メパロチンの生産コスト削減に向けてプラバスタチン前駆体ML－236Bの発酵生産性を改善する1つの転写因子

摘要

プラバスタチンナトリウム（図1一石）は，生体内のコレステロール合成を強力に抑制する高脂血症治療薬（商品名：メパロチン）として開発された．プラバスタチンナトリウムの工業生産は，微生物を利用した二段階発酵，すなわち糸状菌Penicillium citrinumによる合成前駆体Mし236B（図1）の発酵生産と，続く放線菌5わ．印わ椚γCβぶCα沌叩ゐブ血βによるML－236Bのプラバスタテンナトリウムへの変換培養により行なわれる．プラバスタチンナトリウムをより安価に大量合成することは，生産コスト削減につながる非常に魅力的な課題である．本稿では，プラバスタチンナトリウム生産の第一段階であるMし236Bの発酵生産にターゲットを絞って，その生産に関与する遺伝子群の単離や機能解析の結果，現在までに明らかになった知見について紹介する．