Single-cell isolation技術で何ができるかイスループッ卜な分離、培養技術が進歩.一細胞レベルの微生物の挙動解明に期待

摘要

Single-cell isolation技術とは微生物などを一細胞ず つ分離し解析する手法である.その歴史は古く，1890年 代にはキヤビラリ一ピぺットを用いたsingle-cell isolation 技術による海水からの微細藻類の分^!が報告され ているそれ以降，この技術は環境試料からの微細藻 類や原生生物の分離、無菌化などに重宝されてきたが， 近年では関連技術の向上や科学の発展に伴い，難培養微 生物の分離、培養や，細胞の生理、機能のモニタリン グ，あるいは酵素や医薬その他の探索などに使われるよ うになつてきた. 難培養微生物の純粋培養にはさまざまなアプローチが 存在するが，一細胞を分離してから培養すると，異なる 微生物どうしの阻害作用や生育基質の競合が起こらない ため，生育の遅い微生物が培養されやすくなる.このよ うな微生物は，平板培地の表面に環境試料の希釈液を塗 布するといつた一般的な分離法では，競合に負けて培養 されにくいと考えられている.また，fluorescences situ hybridization (FISH)や，生菌染色，レポーター アツセィといった特定の細胞を識別する技術とsingle-cell isolation技術を組み合わせることによって，系統的 に新規な微生物や，ユニークな機能をもつ微生物にター ゲットを絞って分離することが可能である.