線虫の個体の大きさを決定するメカニズム

摘要

多細胞生物の大きさは種によって大きく異なるが，その決定機構は大部分不明である．個体の大きさは，一体どのような機構で，またどのような遺伝子によって決定されているのだろうか？ 　 筆者らは線虫Caenorhabditis elegansを材料とする研究により，MAI，キナーゼや環状GMP（CGMP）が大きさの制御に関与していること，個体の大きさの遺伝的な変化が細胞の大きさの変化に基づくことを見いだした．これらの知見を中心に，生物界における個体や細胞の大きさの決定機構の概略について紹介する．