ダイズ葉に散布されたハスモンョトウ核多角体病ウィルス製剤「ハスモンキラー」の残効性について

摘要

ハスモンョトウSpodoptera litura Fabricius は，広範囲 の作物を加害する重要害虫である。本種に対する生物的 防除資材の開発は，天敵ウィルスの1種である，ハスモ ンョトウ核多角体病ウィルス(SpltNPV)の利用が試み られてきた(浅山ら，1985; 岡田，1977)。また，自然界の本ウイルスには遺伝的な多様性があることから，日 本各地から殺虫活性の高いゥィルス株が分離検索され， 殺虫効果の高いウィルス株が2タイプ得られている。こ れらのウィルス株に対するハスモンョトウ幼虫の感受性 は高く，筆者らにより防除資材としての実用化が取り組まれ，商品名「ハスモンキラー」として農薬登録された (2012年3月)。