カンキッ育種の最新動向と 今後の展開方向

摘要

消費者側からみたカンキッ果実に求める特性は-まず「おいしいこと」と「食べやすいこと」で、加えて外観が優れていればなお望ましい。力ンキッでいう「おいしさ」とは、高い糖度および糖酸のバランス、そして香りや風味の良さとなる。今では育種世代が進み、近年の育成品種の食味レベルは高く、それらを食べた多くの人が「おいしい」と評価するレベルにあるといえる。また、「食ベやすさ」とは、簡単に皮が剥け、種子がなく、じょうのう膜が柔らかくそのまま食べられるかど、つかである。わが国でカンキッといえば、手で皮を剥いてそのまま食べられ、種のない温州ミカンが中心であり、消費者は温州ミカンと比較するため、その求める基準はかなり高い。