日本における軽種馬の導入と生産の歩み一主として北海道日高管内の軽種馬の歩みから 一(5

摘要

第二次世界大戦後、軽種馬業界でも認められていた人 ェ授精は排斥され、イギリスなど諸外国で行われている 自然交配による産出子馬のみが登録されるように登録規定が改定された。したがって、昭和30年（1955年）代の 軽種馬の生産は幼少期といえよう。この時代に産出された子馬の大半は将来の競走馬として売買されたが、昭和 40年（1965年）に入ると生産過剰の兆しが現れた。昭和 45年（1970年）以降、再び日本経済の好況に伴って競走 馬の生産に拍車がかかった。しかしながら、繁殖用雌馬 の輸入、レースに出場できる育成馬の輸入などが解禁さ れると日高管内の軽種馬生産に暗い影を落とした。そし て、6年間続いたバブル経済が崩壊した平成4年（1992 年）から奈落の不況になり、現在まで生産農家の経済的 な状況に回復の兆しはみられない。今回は前回に引き続き、北海道日高管内の軽種馬雌の 繁殖成績、特に繁殖供用年数（寿命)、産子数、受胎率、 生産率、流産率などの動向を紹介したい。