アメリカ、レッドリバー平原における農民販売組織と家族農場の新動向－新世代農協とLLCに注目して－

摘要

「農業輸出大国」であるアメリカにおいても，その主たる担い手は全体の約86％を占める家族農場（註1）であり，現在存続の危機にある。 80年代後半からの自由化、国際化による大規模経営競争，そして硯在のWTO体制の中で農場数は減少し，農業経営だけで自立しうる大規模専業農場と生計を農外所得に依存する兼業農場への2極分化の度合いを強めた。 さらに，世界市場の穀物供給と国内生産の過剰を受けて，1996年以降主要農産物価格が大幅に下落し離農に拍車をかけている。 近年の自由化、国際化の影響は日本だけでなく，大規模農業を誇るアメリカにおいても同様であるといえよう。