外来化学療法におけるチーム医療一着護師の役割

摘要

近年，在宅での抗癌剤治療を希望する患者·家族は増加しており，外来化学療法の支援療法の重要性が指摘されている。 特に切除不能·再発大腸癌に対する化学療法は，欧米で確立された標準的治療であるFOLFOX，FOLFIRI療法により予後の改善を望めるとともに，CVポートを用いた外来化学療法がさらに重要と認識されている。 当院では2005年5月から通院治療室を開設し，リスク管理のためのシステム整備や医療チームを確立した。 外来化学療法で重要な点は，多くり癌患者が複数の要因により栄養状態が低下している状況にあることである。 その主たる要因は代謝に必要な糖質，蛋白質，脂質などの摂取低下や吸収低下による蛋白質カロリー栄養失調（PCM）である。 栄養管理は重要な支持療法であり，癌治療によって起こり得る合併症の予防や緩和が期待されている。 外来治療は入院加療のように状態を把握できず，短時間での診療であるために，複数の職種によるチーム診療の充実と患者のセルフケア指導が要求される。