病院·診療所連携在宅癌化学療法についての考察

摘要

切除不能消化器癌に対し近年,化学療法の進歩により生存率の向上が認められるようになるにつれ患者のquality of life (以下QOL)の維持も重視されるようになってきた。 当院でもQOLを維持しつつ,満足のいく奏効率を上げられる化学療法として, low-dose FP療法を行っており,現在までに切除不能消化器癌50例以上の症例に対し施行してきたが,そのうち入院中に施行したIow-dose FP療法により効果がno change (NC)程度で重篤な副作用を認めなかった患者のうち,本人の希望などにより自宅近くの診療所と連携し,在宅化学療法へと移行した患者らの経験を基に在宅癌化学療法におけるlow-dose FP療法の有用性と病院·診療所連携在宅癌化学療法について検討した。