果肉障害の原因及び最新の対策について

摘要

これまでに，モモの果肉障害である果肉が桃赤色を呈する「赤肉症」や果肉が透き通り褐変 する「水浸状果肉褐変症」の発生が各地で報告されてきた。岡山大学では，「赤肉症」発生の 多い樹について，その特性を解析し，赤肉果率が連年高い多発樹では，地下部（根）の成長が 相対的に遅く地上部と地下部のバランスが悪い点や，果実内成分の比較では，赤肉果では果肉のホウ素含量が少ないことが明らかになった（高田，2006)。また，「水浸状果肉褐変症」の発 生が多い品種は，果汁糖度が高く ，糖度の高い果肉に発生部位が集中していることを示した（高 田ら，2006)。