主力品種キャンベル、アーリーの栽培技術(昭和30-40年代）

摘要

1950年代の後半（昭和30年以降）から，岡 山県内の露地ブドウの栽培面積は急速に増加 した（図1)。1955年の栽培面積は約850ha であったが，その10年後（1965年）には3倍 近い約2，340haに達した。この栽培面積は， 岡山県の露地ブドウ（ハウス，トンネルなど を含む）栽培史上の最大値である。品種別に みると，その時期の急速な面積増大は，主と してキャンベル.アーリー（以下，キャンべ ルと略記）とマスカツト'ベーリ 一A (同べ一 リ 一A)の新植ゃ増植によるものであった（図 2)。特にキャンベルは，以前から露地ブド ゥ全体の半分以上を占める主要品種であり，この10年間で400haも増植されたことで，岡 山県のブドウ面積が大増加したのである。そ して，キャンベルの面積は，この1966年を境 に減少に転じたことによって，全ブドウ面積 も減少傾向になっていく。一方，それ以降も ベーリーAは引き続き緩やかに増加し，ネ ォ.マスカットも急増した。しかし，ベーリー Aも1970年代に入ると減少に転じた。