初心者のための培養管理基礎講座

摘要

秋から冬へ、肌に感じる空気も少しずつ冷たく感じられるよ、つになり、本格的な冬の到来がもう間もなくという季節になりました。人間であれば服を重ね着したり暖房器具を準備して冬を乗り切る支度を始めるのですが、冬支度が必要なのは盆樹とて同じです。来るベき厳冬期を前にして、愛樹を寒さから守る準備を始めましょう。ところで、自生状態では寒風や雪に晒されても平気な樹木ですが、盆樹に限つてはなぜ保護が必要なのでしょう。自生状態では、その環境に適応できたものだけが生き残つて生育しているとい、つことですから、夏もしくは冬の環境が厳しくても問題ありません。しかし、移動ができる盆樹は今の環境(気候や培養状況)に必ずしも適応したものとは言い切れません。暖地性の植物や日照を好むもの、半日陰の環境を好むものなど、棣々な自生環境で育つ樹種が同居する状態も珍しくはないのです。従って培養する側が、それぞれの樹種に適合しやすい環境を作ってあげる必要があり、特に影響を与えやすい夏場と冬場は保護が必要になるのです。また鉢という限られた空間で生育する盆樹は自生樹よりも環境の影響を受けやすいというのも理由の一つです。