ウメの品質と梅干しの生産

摘要

ウメは暖地から寒冷地まで全国各地で栽培され、日本人に昔から親しまれてきた身近な果樹です。　他の果実と違い、ウメは全て加工用途であることが特徴で、若々しい青ウメから黄熟した完熟落果果実まで、それぞれの熟度に応じて加工法を変え利用されています。主に青ウメは、梅酒や梅ジュース、梅肉エキス等果実のエキス分の抽出を目的に加工され、完熟果実は漬け梅（梅干し）に加工されます。　和歌山県ではウメの収穫は早場の海岸部から山間部にかけて順次行われ、青ウメは5月中旬～6月中旬頃まで、完熟落果した黄熟果実は6月中旬～7月中旬にかけて収穫されます。完熟落果した果実は梅干しに加工するには最適な熟度ですが、日持ちしないので市場流通されず、大部分が生産農家で塩漬けされて自干し梅に一次加工されています。和歌山県では収穫された果実の約7割が梅干しに加工されています。