やさしいかおり学(14)醤油のかおり

摘要

2001年、環境省は「豊かなかおり」とその源たる自然や文化、生活を、将来に残し伝えていくため“かおり風景”を広く募集した。その結果、地域の自然、工芸、産物などに関わる多様な100地点の風景が選定され、醤油のかおり部門では二つの町が選ばれた。 ひとつは埼玉県草加市であり、もう一箇所は鳥取県倉吉市だ。 草加市の風景は「草加せんべい醤油のかおり」だという。 「煎餅店の付近では、醤油の焼ける香ばしいにおいが漂い、日光街道の宿場町として栄えた草加市の伝統的なかおりである」がその選考理由だそうだ。 また、倉吉市の風景は、「酒と醤油のかおる倉吉白壁土蔵群」で、「白壁土蔵群の周辺は、一年中醤油や酒を醸造するかおりがする」が選考理由のひとつ。 両町とも、歴史と伝統に培われた醤油のかおりが町の中に根付いていることが伺われる。