分光分析法によるホウレンソゥ葉表面に付着した一般生菌数の非破壊推定

摘要

近年，食生活の多様化が進む中で.消費者ニーズは高品 質で安全な野菜を求める傾向にある.さらに食生活の簡便 化，健康志向に伴い，一人当たりの野菜消費量全体では. 減少傾向で推移しているが.生野菜については消費量が増 える傾向にあるそのため，農産物が生産されて消費者の 口に入るまでのすベての段階で衛生的に管理されることが重 要であり，適切な品質管理が求められている.野菜は土壌に接触することが多いため.微生物に汚染されやすい食材である.生鮮野菜の一般生菌数は通常103-107 CFUg~(-1)とされ ており.一般生菌の増殖は品質劣化の一因であり.腐敗に-辛. る原因である2).市販野菜の菌叢の調査では，キユウリ，レタ ス，ニンジンおよびホウレンソゥの一般生菌数は4.5-6.5log CFUg~(-1)と報告されている.また，ニンジンおよびホウレンソゥ では.主にグラム陰性菌が存在することが明らかにされてい る3).緑黄色野菜のニンジン，ホウレンソゥにはカロテンゃビ夕 ミン，ミネラルなどの栄養素が多く含まれているため，細菌の 発育に都合の良い環境影響を与えていることが報告されてい る4).よって.生鮮野菜の貯蔵中，野菜の表皮組織が破壊さ れ，栄養物質などが漏出することにより微生物の増殖が促進 される.このように.微生物の増殖は生鮮野菜の品質劣化の 一因であると同時に，食の安全性にも関わっている.