ギファブラバチの生態とジャガイモヒゲナガァブラムシに対する生物的防除資材としての利用法

摘要

近年，スワルスキーカプリダニなどの天敵導入が進ん だ施設栽培野菜類では，殺虫剤の利用が減少した結果， 従来では問題にならなかつた害虫が発生して被害を顕在 化させている。ピーマンで発生する主な害虫アブラムシ 類はモモア力アブラムシとヮタアブラムシであるカゝ西 日本の施設促成栽培ピーマンではジャガイモヒゲナガァ ブラムシの被害が増加している（図-1，口絵①）。ジャ ガイモヒゲナガァブラムシは，モモァカアブラムシゃヮ タァブラムシとは異なり，ピーマンの株上で大きなコロ ニーを作ることは少ない。しかし，本種に加害されたピ 一マンの葉には，激しい萎縮や奇形，黄化等の症状が現 れるほか，果実には斑点ができて等級を大きく低下させる（図-2, 口絵②）（柿元ら，2015)。現在，日本国内で は，害虫アブラムシ類の天敵として，コレマンアブラバ チ，チヤバラアブラコバチ，ナミテントウ，ヒメカメ ノ コテントゥが生物農薬として市販されている。ジャガイ モヒゲナガァブラムシが発生しているピーマンの産地で も各種天敵の導入が試みられたが，十分な防除効果が得 られた事例は少なかった。