北部九州地域の麦園でのスズメノッボウの総合防除法

摘要

北部九州は北海道に次ぐ麦作地帯で，中でも 佐賀平野，筑後平野は麦の作付け率が最も高い 地域である。また，代表的な二毛作地域であり，夏作は水稲を1ないし2年間作付けした後に大 豆を作付けする輪作体系が一般的である。麦の 作柄向上を図るためには，雑草防除は最も重要 で，基本技術である。特にスズメノテツボウは 麦園での代表的な強害雑草であるが，最近，こ の地域では除草剤抵抗性のスズメ ノテツボウが 増加（内川ら2007)し，その徹底防除が強く望 まれている。スズメノテツボウの総合防除法としてはフロー図（図一1)に示すように，1)埋土種子量の低下，2)播種前雑草防除，3)播種 後，出芽前の除草剤散布，4)中耕、 土入れ，5) 生育期除草剤散布の5段階に大別できる。今回， そのすベてを網羅することはしないが，各段階 毎に新しい知見を加え考察したい。