シロイヌナズナのGタンパク質 beta サブュニットと相互作用するU-box E3ュビキチンリ ガーゼPUB20の解析

摘要

ヘテロ三量体Gタンパク質は生物に 広く保存された、細胞内シグナル伝達に関与 する膜タンパク質である。同じく細胞膜上に存在するGタンパク質共役型受容体（GPCR) がリガンドを結合すると、Gタンパク質ひサ ブュニットに結合したGDPの、GTPへの交 換反応が促進される。これにより三量体Gタ ンパク質のサブユニットの解離が起こり、活 性化されたそれぞれのサブュニットはさらに 下流へとシグナルを伝える。本研究室におい て行われた、yeast two hybrid法によるシロイ ヌナズナのGタンパク質 beta サブュニット (AGB1)の相互作用因子のスクリーニングの 結果、相互作用因子の候補の一つとしてU-box E3ュビキチンリガーゼであるPUB20 (plant U-box 20)が見つかつた。E3ュビキチ ンリガーゼはタンパク質分解を担う26Sプ口 テアソーム経路において、分解されるべきタ ンパク質を認識する役割を持つタンパク質で ある。本研究はPUB20およびホモログの PUB21が、AGB1による生体制御のどのプロ セスにどのように関わっているのかを明らか にすることを目的に始められた。