ァグロパクテリゥムによるコムギカルス形質転換法の確立

摘要

コムギ(Triticum aestivum L.)ではァグロバクテリゥム法による形質転換は難しいとされ ており、重要な作物であるにもかかわらず形 質転換実験に関する報告は少ない。また、限 られた研究機関でしか確立されておらず、人 や場所を選ばない汎用的な手法は確立されて いない。これまで報告されているプロトコ一 ルでの形質転換効率は0.3-9%というよう に、他の作物と比較して低い。これに対して 新たにコムギ栽培品種Fielderを用いて20% という高い形質転換効率のァグロバタテリゥ ム法が確立された（石田ら第27回日本植物 細胞分子生物学会大会要旨集）。当研究所で の先行研究では日本たばこ産業株式会社(JT) のプロトコールを用いコムギ形質転換を行つ たが、再現できなかった。その要因の1つに 材料の生育条件があげられている。人工気象 器で栽培したコムギの生育が悪く 、植物体の 生育状態に左右されない系の確立が必要で あった。そこで、JTのプロトコールを基に新 しい系の確立を試み、レポーター遺伝子とし てGUSを導入した。本研究では生育状態に 左右されない形質転換系の確立を目的とし て、コムギ未熟胚から誘導したカルスを用い 形質転換法の検討を行った。