無花粉スギF2個体の特性と交雑による改良効果

摘要

スギ'ヒノキによる花粉症が社会問題化し、 戦後の拡大造林政策だけでなく、最近の新た な植林に対する批判も多く、将来的に用材生 産や造林政策に大きな影響を与えることが考 えられる。そこで、林木育種の分野でも花粉 症対策品種を公表し、その対応を図ってきた。 そのうちの一つに花粉症対策品種「爽春」が 存在する。「爽春」は花粉形成突然変異体であ り、花粉を全く放出しない一方で、成長形質 に問題があることから、育種的手法による改良が期待されている。本報告では植栽2年目 のF2個体の成長量評価結果について報告す る。併せて、雄性不稔遺伝子探索に向けた爽 春の遺伝子発現について報告する。