二倍体ルジグラスと四倍体シグナルグラスとの種間交雑ならびに戻し交雑による雑種個 体および後代個体の作出とその形態的特性

摘要

暖地型イネ科牧草であるブラキアリァ属 は、南米や東南アジアおよびアフリカなどの 熱帯、亜熱帯地域において栽培され、主に放 牧用草地や青刈り用飼料として利用されてお り、その育種目標として高消化性系統や高度 な環境適応性を付与した系統の育成が挙げら れている。しかしながら、ルジグラスを除く、多くのBmchiaria属草種はアポミクシス性や 多倍数性などの育種障害を有しており、従来 の育種法を用いた改良は困難である。しかし ながら、著者らは有性で2倍体であるルジグ ラス（2n=18)とアポミクシス性で4倍体で あるシグナルグラス（2n = 36)との種間交雑 ならびにシグナルグラスとの戻し交雑によ り、3倍体雑種個体（F,)および後代個体 (BC,)を作出した。本研究では、これらの雑 種個体（F,)および後代個体（BC,)における 形態的特性について調査した。種間交雑に よって得られた3倍体F,へのシグナルグラ スの戻し交雑により、BC,27個体が得られた。