ラットにおける食後の血糖値に及ぼすコーヒー豆の熱水抽出物の影響

摘要

コーヒーの学名はラテン語でCaffeaと称し，Rubiaceae科に属する。 コーヒーの種類は25存在し，すべてアフリカが原産地である。 主にアラビカ種，ロブスタ種，リベリカ種の3大原種に大別され，アラビカ種が全体の70％から80％を占め，残りのロブスタ種，リベリカ種はほとんど生産されていない。 昔から，薬物として人々に飲まれて，今では晴好飲料として世界中で愛飲されており，近年，生体に対する有効作用に注目が集まり，盛んに研究が行われている。コーヒーに多く含まれるカフェインの体脂肪の低下作用，またクロロゲン酸の抗腫瘍作用など多くの研究結果が報告されてい最近，Yoshiokaらはカフェインが2型糖尿病の発病リスクを低減することを報告している。従って，コーヒーは体内の脂肪の蓄積を抑制するだけではなく，血糖の上昇も抑制し，抗糖尿病作用のある可能性が考えられる。 今回，コーヒーの抗糖尿病作用のメカニズムの解明を目的として，糖質の消化酵素α－アミラーゼおよびα－グルコシダーゼに対する阻害作用と，澱粉，マルトースおよびスクロース負荷による食後の血糖上昇抑制作用について検討した。