施設トマトのセル成型苗直接定植における筆勢制御法

摘要

施設トマトの産地では、育苗に要する労力の軽減や慢性的な労働力不足の解消を目的としてセル成型苗の利用が増加している。 生産現場においては育苗労力を軽減するためにセル成型苗を直接本国に定植する栽培技術の確立が求められている。 しかしながらセル成型苗を直接定植した場合、総収量は高まるものの空洞果や乱形果の発生が増加し、上物率が著しく低下する。 この対策として第1果房の着果まで潅水を控えたり、二本仕立てにすることで筆勢を抑制するなどの手法が試みられているが、草勢を安定的に一定期間コントロールすることは難しい。 そのため生産農家からはセル成型苗を直接定植しても草勢を容易にコントロールでき、高い収量と品質が得られる栽培管理技術の開発が要望されている。