水産物をめぐる安全性の問題と品質管理についての考え方

摘要

食の安全、安心については、BSEやO－157による食中毒事故の発生を受けて、消費者の関心が高まり、食品安全基本法の制定や食品安全委員会によるリスク評価が始まるなど国のさまざまを施策と相まって、現在では、一次生産の現場から加ヱ、流通をも含めた食品温通（フードサプライチェーン）全般にわたる衛生管理の実施が求められるようになっている。　生産から消費者の手に渡るまでの間で、その管理が1カ所でも途切れると、食品の安全性は保証できないという考え方である。これは、至極当然のことで、養殖魚の生産施設で適切な管理が行われていなければ、その後の流通過程でいかに衛生管理を徹底したところで、除去できないリスクがあるし、逆に、養殖魚の生産施設での管理が十分であっても、その後の流通過程での管理が不十分で起こり得るリスクもある。