マハタの養殖技術と経営 第1回　マハタの生理と生態特性

摘要

三重県では、南部の束紀州地域を中心に魚類養殖が重要な産業となっていますが、主要魚種であるマダイの魚価が低迷しており、近年は餌料や燃油の高騰と併せて、漁家経営を圧迫しています。　マハタEpinephelus septemdasciatus（写真1）　は、スズキ目ハタ科マハタ属に属する大型のハタ科魚類です。単価が高く成長も良いことから、海産魚養殖の新魚種の1つとして期待されています。しかし、種苗の量産がこれまで困難でした。そこで、魚価の高い新しい養殖魚種として、高級魚であるマハタを導入し、経営の安定に寄与するため、三重県水産研究所では、1996年度からマハタの種苗量産および養殖に関する技術開発に取り組んでいます。