大礫後部のマイクロハビタット特性と遷移初期の水生昆虫動態: 剥離流タイプと跳水タイプハビタット

摘要

環境や生態系の視点から適切な河床材料のあり方の明確化は，河川事業における課題の一つである．近年はダム下流における河床低下や粗粒化への対処として土砂還元が試みられているが，経験的適用が多く1)，工学的指針の構築が望まれる．具体的には，どういった河川断面形状や粒度分布がどの様な視点から望ましいと言えるのかという命題に対して明確に解答すべきである．このためには流れ場や河床材料と生態系との関係についての定量的かつ具体的な知見が必要である．