グローバルな視点での人工授精の技術開発動向

摘要

世界の豚肉の年間消費量は約九、五〇〇万トンであり、人類の食肉消費量の約六割を占めます。また、世界の豚飼育頭数の五割以上がアジアで飼育されています。人類は驚くほど長い歴史の中で豚を飼育、改良してきました。その結果、一-二世紀には豚を約一一年かけて約四〇おで食肉用に利用していたのが、二〇世紀初頭には約一一力月で約一〇〇おに育成するようになり、現在では六-七力月齢の約一一〇おで食肉の用に供されています(我が国の平成二十年養豚基礎調査(日本養豚協会)では、平均一九二.七日齢一一三.一おで出荷し、枝肉重量は七三.八，^)。これは育種改良増殖技術および飼養管理プログラムのたゆまぬ向上の成果です。環境問題や人口問題を考えると、今後も、食肉の用に供される豚の育成時間短縮と使用効率向上のための改良速度をさらに加速させる必要があるようです。